山本まり子先生の担当する音楽学部1年生の必修科目「音楽と社会(音楽キャリア教育Ⅰ)」のゲスト講師として、ウィーン国立歌劇場オペラヘッドコーチのマッツ・クヌッツソンさんをお迎えしました。
この日の進行役は声楽・オペラコースの宮本益光先生。通訳は宮部小牧先生です。
貴重な機会とあって、大勢の学生たちや先生方が駆けつけ、熱心に耳を傾けました。
♪ テーマ ♪
歌手とともに最高のオペラをつくる ~コレペティトゥアの仕事の実際~
オペラをつくりあげてゆく過程で、音楽稽古をつけるピアニストの“コレペティトゥア”という仕事を担う方たちがいます。クヌッツソン先生もそのお一人。声楽・オペラコースに在籍する4年生と大学院生の2名が、ドニゼッティ作曲《愛の妙薬》とモーツァルト作曲《コシ・ファン・トゥッテ》の場面をそれぞれ一部取り上げ、クヌッツソン先生による実際のコーチングを受けました。
クヌッツソン先生は終始 身体を躍動させ、相手役の旋律はご自分で歌いながら、受講生をぐいぐいリードします。舞台歌唱の発語・発音法、表情のつけ方・・・先生のひと言ひと言で受講生の歌唱はみるみる輝いていきます。
《コシ・ファン・トゥッテ》では、宮本先生と島崎智子先生も歌の輪に加わり、動きを伴わないものの生きたオペラの世界が繰り広げられました。さらに、ウィーン国立歌劇場専属ソリストを10年間務められた甲斐栄次郎先生(客員教授)が加わり、宮本先生とともにヨーロッパの歌劇場のシステムや状況を説明。最後には、学生たちとクヌッツソン先生の間で活発な質疑応答も行われました。オペラをつくる過程を世界最高の先生とともに体験でき、学生たちにとってまたとない充実した時間となりました。